私の歌謡“変”歴(昭和 6〜 7年篇) 今まで聴いた歌から・・・・・
この頃の出来事
昭和 6年 1月 | 「少年倶楽部」に田河水泡の「のらくろ」登場 |
昭和 6年 8月 1日 | 日本初のトーキー映画「マダムと女房」(松竹蒲田)封切り。 |
昭和 6年 8月26日 | リンドバーグ夫妻が12500kmの北太平洋を横断し空から来日 |
昭和 6年 9月18日 | 奉天郊外の柳条溝で満鉄が爆破され、満州事変勃発 |
昭和 6年 秋 | 東北・北海道の冷害が深刻化。娘の身売りや家族離散など。 |
昭和 7年 2月22日 | 爆弾三勇士戦死。実際は戦意高揚のために作られた美談だった |
昭和 7年 3月 1日 | 満州国建国宣言 |
昭和 7年 4月24日 | 第一回日本ダービー目黒競馬場で開催。ワカタカが優勝 |
昭和 7年 3月 5日 | 団琢磨血盟団団員に射殺さる(血盟団事件) |
昭和 7年 5月 9日 | 大磯駅裏山で若い男女の死体発見。当時の新聞が「天国に結ぶ恋」と報じた。その後女性の遺体が別の場所で全裸で発見され話題に |
昭和 7年 5月15日 | 海軍青年将校らがクーデターを起こし、犬養毅首相を「問答無用」と射殺(五・一五事件)。この事件で戦前の政党政治は終焉を迎える。 |
昭和 7年12月16日 | 東京日本橋の白木屋百貨店で火災。避難用救命袋も掛けられたが裾の乱れを気にした和装女店員14名が焼死。この後ズロースが普及。 |
登録No | 曲名 | 発売年月 | 歌手名 | 作詞 | 作曲 | 歌い出し | レコード 会社 |
コメント |
00038 | 女給の唄 | 6 | 羽衣歌子 | 西条八十 | 塩尻精八 | わたしゃ夜咲く酒場の花よ | ビクター 51533A |
女給を歌った歌。(そのまんまかい) |
00037 | 侍ニッポン | 6 | 徳山l | 西条八十 | 松平信博 | 人を斬るのが侍ならば | ビクター 51645A |
ニヒリスト新納(にいろ)鶴千代を歌った曲。でも徳山は「シンノウ」と歌いヒット。 |
00034 | 影を慕いて | 6 | 佐藤千夜子 | 古賀正男 | 古賀正男 | まぼろしの影を慕いて | ビクター 51519B |
古賀メロの原点。スタートは彼女から。 |
00043 | 風の鈴蘭 | 6 | 佐藤千夜子 | 浜田広介 | 古賀正男 | 夜店の風に鈴蘭の | ビクター 51698B |
これも古賀メロの隠れた小品。いじらしさ100% |
00205 | 紅蝙蝠 | 6 | 黒田進 | 長谷川伸 | 浜田右二郎 | 番はなれぬ紅蝙蝠の | コロムビア 26230A |
黒田進は楠木繁夫の本名。いかにも無声映画時代を彷彿とさせるメロディー。 |
07009 | 曽根崎夜曲 | 6 | 藤野豊子 | 西条八十 | 中山晋平 | 今宵ひと夜が千夜の逢瀬 | ビクター 51574A |
藤野は四家文子の変名。西条八十の詞が秀逸。 |
06977 | あなたのものよ | 6 | 淡谷のり子 | 佐伯たかを | 佐々紅華 | 何から何まであげますわ | コロムビア 26317A |
ドキッとする詞、エログロ時代です。 |
03348 | 乙女心 | 6 | 関種子 | 鹿山鶯村 | 古賀政男 | おぼろ月夜のその頃に | コロムビア 26275A |
初期の古賀メロを支えた彼女の古賀メロ第一声。 |
07011 | サクラ・オンパレード | 6 | 藤本二三吉 | 西条八十 | 中山晋平 | 派手な桜のあのフラバット | ビクター 51648B |
松竹歌劇「東京おどり」の主題歌で“レビュー小唄”。当然ジャズ調。 |
07012 | 花嫁東京 | 6 | 市丸 | 西条八十 | 益田銀三 | 東京花嫁花婿どのは巴里の空なるエッフェル塔よ | ビクター 51680B |
これも“レビュー小唄”。市丸姐さんの流行歌(らしい)第一号。 |
07013 | 大江戸夜曲 | 6 | 藤本二三吉 | 長田幹彦 | 松平信博 | 鐘も上野の初桜散るよ新造のびんの髪 | ビクター 51694B |
長田幹彦描く江戸情緒。和洋折衷楽団も懐かしく。 |
07014 | 当世娘気質 | 6 | 羽衣歌子 | 島田磬也 | 松平信博 | 恋の道行だすフル・スピードハネムーンで行く空の旅 | ビクター 51723 |
作詞の島田磬也のデビュー作。当時のモダンライフを歌う |
03349 | キャンプ小唄 | 6 | 藤山一郎 | 島田芳文 | 古賀政男 | 山の朝霧茜の雲が | コロムビア 26325A |
古賀作品と最も密接な関係にあった藤山一郎との初対面。 |
00033 | 茶切節 | 6 | 市丸 | 北原白秋 | 町田嘉章 | 唄はチャッキリ節男は次郎長 | ビクター 51818A |
「きぁあるが鳴くんで・・雨ズラよ〜」もともとは静岡鉄道のPRソングだった。北原白秋作詞。 |
00207 | 荒木又右衛門の唄 | 6 | 二村定一 | 佐伯たかを | 佐々紅華 | 花はくれない柳は緑 | コロムビア 26316AB |
佐伯孝夫(当時は「たかを」)作詞・佐々紅華作曲。二村の歌う三味線調。珍品。 |
00206 | 北太平洋横断飛行マーチ | 6 | 藤山一郎 | 菊田一夫 | 井田一郎 | 若き命を大空の翼にたくす雄々しさよ | コロムビア 26315B |
菊田一夫作詞・井田一郎作曲。藤山の幻のデビュー曲。 |
07190 | やるせなや | 6 | 藤山一郎 淡谷のり子 |
米村耿二 | ロシア民謡 | こころにしみ入る雨音さびし | コロムビア 26424B |
この二人の組み合わせによるデュエットは2曲しかない。歌もそれぞれ20秒づつ。 |
07016 | 唄の弥次喜多 | 6 | 徳山l 藤本二三吉 |
山内英三 | ビクター文芸部 | 弥次さん喜多さん出てみれば | ビクター 51887A |
変わった顔合わせ。二人とも芸達者です。 |
00035 | ルンペン節 | 6 | 徳山l | 柳水巴 | 松平信博 | 青い空から紙幣の束が降って | ビクター53113B | これも徳山の巧さが堪能できる逸品。S9の「さくら・さくら」の片面で吹き込み直した分が秀逸。 |
00211 | 酒は涙か溜息か | 6 | 藤山一郎 | 高橋掬太郎 | 古賀政男 | 酒は涙か溜息か | コロムビア 26486A |
2行4節の短い詞、4ピースのバンド。シンプルイズベストの顕著な例。 |
03351 | 私此頃憂鬱よ | 6 | 淡谷のり子 | 高橋掬太郎 | 古賀政男 | 情けの壺に咲いた花 | コロムビア 26486B |
ハバネラのリズムに乗ってソプラノが冴えを見せる。 |
03352 | 窓に凭れて | 6 | 関種子 | 島田芳文 | 古賀政男 | 行きて帰らぬ若き日を窓に凭れて思いみる | コロムビア 26624B |
終戦直後進駐軍のリクエストNo1だった曲。 |
00040 | ころがせころがせビール樽 | 6 | 徳山l オリオン・コール |
北原白秋 | 橋本国彦 | ころがせころがせビール樽 | ビクター 52060B |
同じ詞・メロディーをしつこく繰り返し、ラヴェルのボレロを連想させる。途中からテンポが上がって行くところも同じ。こういうのもいいかな? |
00215 | 丘を越えて | 6 | 藤山一郎 | 島田芳文 | 古賀政男 | 丘を越えて行こうよ | コロムビア26624A | マンドリン協奏曲を流行歌にアレンジ。伴奏の鍵盤式アコーディオンが危なっかしい。 |
07018 | モダン五人娘 | 7 | 金色仮面 | 柳水巴 | 林純平 | 浮気商売マニキュア・ガール | ビクター 52101B |
小林千代子のデビュー。当時の先端職業を歌う。 |
00048 | 天国に結ぶ恋 | 7 | 徳山l 四家文子 |
柳水巴 | 林純平 | 今宵名残の三日月も消えて悲しき相模灘 | ビクター 52352A |
当時あったナマナマしい猟奇事件を清純に流行歌化。西条八十作詞・松平信博作曲。 |
02127 | 命の盆茣蓙 | 7 | 貝塚正 | 近藤竜司 | 南郷明 | 仁義渡世は儚いものよ | ニットー 5494A |
沓掛小唄系の股旅もの。同名の東活映画から。 |
00044 | 夜の酒場に | 7 | 徳山l | 西条八十 | 松平信博 | 夜の酒場に聴く雨の | ビクター52166B | ウェットな「徳さん節」が冴える!やっぱり上手いっスねぇ |
02198 | 恋の大阪城 | 7 | 二村定一 | 村田吉邦 | 片岡志行 | 強い淀君恋ゆえ弱い | タイヘイ 3154 |
大阪城の淀君を歌った珍しい作品。間奏は「籠の鳥」(なんで?) |
03355 | 鳩笛を吹く女の唄 | 7 | 井上静雄 | 佐藤惣之助 | 古賀政男 | 水の面に花描きて散りゆくは女ごころ | コロムビア 26819A |
バイトがバレても歌い続けた藤山一郎に敬意を表します。 |
00218 | 影を慕いて | 7 | 藤山一郎 | 古賀政男 | 古賀政男 | まぼろしの影を慕いて | コロムビア 26748A |
古賀メロの原点。最初は佐藤千夜子だがこの藤山盤のヒットで世に知られた。 |
02129 | 今宵あなたのお望みは | 7 | 笹川銀子 | 佐々木緑亭 | 高峰竜雄 | 今宵あなたのお望みは香りの高いお酒でしょ | ニットー 5543B |
「抒情小唄」。格調高いメロディ。笹川は渡辺光子。作曲は江口夜詩。 |
00221 | ラッキーセブンの唄 | 7 | 柳井はるみ | 菊田一夫 | 塩尻精八 | こがれこがれたラッキーセブン | コロムビア 26822A |
松島詩子のデビュー。彼女もいろんな変名で歌っています。 |
00219 | 心のゆくえ | 7 | 藤山一郎 | 時雨音羽 | 井田一郎 | くる日もくる日もあてどなく彷徨える | コロムビア 26749A |
間奏にショパンの雨だれが出てきます。 |
00220 | 弥太郎笠の唄 | 7 | 内田栄一 | 稲垣浩 | 佐々紅華 | のびた月代一本刀 | コロムビア 26820A |
千恵プロの映画主題歌。いわゆる股旅調ではない。歌った内田はのちヴォーカル・フォアを指導。 |
02131 | 軍事探偵の唄 | 7 | 藤井竜男 | 浦路耕之助 | 江口夜詩 | 高梁枯れたる曠野の中に | ニットー 5623A |
それでも歌った藤山一郎。江口夜詩の曲も○。 |
00046 | 銀座の柳 | 7 | 四家文子 | 西条八十 | 中山晋平 | 植えて嬉しい銀座の柳 | ビクター 52172A |
震災から復興・復活した銀座の柳を祝して。(“柳”は都電廃止と共に消える) |
00045 | 旅は青空 | 7 | 渡辺光子 | 野口雨情 | 松平信博 | 誰に迷たか一本桔梗ヨ | ビクター 52361A |
スットントロリコノーヤイ・・・・“田園詩人”野口雨情の粋な唄。 |
07614 | 笛は冴ゆれど | 7 | 関種子 | 佐藤惣之助 | 古賀政男 | 水の谺か木の精か | コロムビア 27025B |
深山に響く笛を幻想的に。曲はS5の「青い小鳥(歌:佐藤千夜子)」の焼き直し |
07023 | モダン日本の歌 | 7 | 小林千代子 | モダン日本編集部 | 橋本国彦 | 廻る廻るよ地球は廻る廻りまわってボンジュール | ビクター 52390A |
“仮面”が取れた彼女の第一作。橋本国彦のモダン感覚が○ |
00052 | 伊豆の踊子 | 7 | 四家文子 | 長田幹彦 | 中山晋平 | 頬にゃ白粉紅つけて渡る世間を三味の音に | ビクター 52451A |
踊子「第一号」。映画主題歌だった |
05926 | 幌馬車の唄 | 7 | 和田春子 | 山田としを | 原野為二 | 夕に遠く木の葉散る | パルロフォン E1929A |
昭和初期の香り高いワルツ。さらりとして味わい深し。 |
00049 | 涙の渡り鳥 | 7 | 小林千代子 | 西条八十 | 佐々木俊一 | 雨の日も風の日も泣いて暮らす | ビクター 52462A |
佐々木俊一の初期の作品。軽快に歌う。 |
00051 | 討匪行 | 8-2 | 藤原義江 | 八木沼丈夫 | 藤原義江 | どこまで続く泥濘ぞ | ビクター 52538A |
後拍にアクセントのある微妙な味付け。藤原自身作曲。 |
00057 | 島の娘 | 8-1 | 小唄勝太郎 | 長田幹彦 | 佐々木俊一 | ハァ島で育てば娘十六恋ごころ | ビクター 52533A |
ハァ小唄の元祖。勝太郎はこれでスターに。 |
06983 | マダム・バタフライの唄 | 8-5 | 淡谷のり子 | 西条八十 | 佐々紅華 | 長崎のお蝶さん花の簪振袖で | コロムビア 27359B |
三味線のテをピアノに演らせた佐々紅華に乾杯。(なんじゃそれ) |
02140 | 咲かぬ花なら | 8-3 | 二村定一 | 落合四一 | 江口夜詩 | 生きていたとて枯れすすき | ニットー 5975A |
江口夜詩作曲の“自殺ソング”。「昭和枯れすゝき」を連想。 |
07599 | 時雨ひととき | 7 | 渡瀬春枝 | 飛鳥井帆二 | 江口夜詩 | 時雨ひととき降る宵の | ポリドール 1262B |
カントリームードたっぷりに軽いタッチの江口夜詩作品。 |